脂肪を体外に除去する。
脂肪吸引とは、痩身術のひとつで、脂肪を体外に除去する方法です。
そもそも、肥満に対する外科的治療法のひとつとしては、皮膚を切開し、脂肪を取り出す切開式脱脂術というものがありました。しかし、長時間の手術や術後の長期間の入院が必要となる大きな傷痕が残るなどの短所があるため、この施術が行われるのは、まれでした。その後、切開部分を小さくする新しい方法が、考案されました。ところがこの施術は、切開部分が小さいため、安全性に疑問がもたれてしばらく行われませんでした。
ところが、再びこの施術と基本的に同じ施術が行われるようになりました。具体的な方法は、皮膚を小さく切開し、(約1cm)先端が丸くなったカニューラと呼ばれる細い管の先を切開部分から体内に挿入し、カニューラを前後に移動させ脂肪を剥離し、剥離した脂肪をカニューラを接続した高圧吸引ポンプで吸引するというものです。それには、全身麻酔などが必要になることもあります。なお、脂肪を吸引する範囲が大きい場合には輸血が必要になります。
術後の問題
術後は、腹部、太もも部などで比較的大量に脂肪を吸引した場合、動きの激しい部分の脂肪を吸引した場合には、出血などのおそれがあるため1週間程度の安静が、そうでない場合でも3~4日程度の安静が必要となります。
そのほか、出血、浮腫、皮膚のたるみ等を防ぐため、7~10日ほど圧迫固定を行い、腹部などはさらに約1ヶ月、ガードルなどを使用することになります。浮腫(はれ)がひくのには、術後3~6ヶ月ぐらいかかります。